アルバイト、契約社員、正社員…さまざまな働き方があるけれど、時間の融通の聞くパートで働く主婦の人はまだまだ多いですね。
パートとして働く中で、「103万円」を意識して働く人も多いのではないでしょうか?けれど今その「103万円」の壁が変わろうとしているんです!
そもそも「103万円の壁」ってなに?それがどう変わろうとしているの?
働き損にならないためにも知っておきたい「税金」についての知識をご紹介します!
パート主婦のお悩み
103万円の壁、130万円の壁…
結局いくらがおトクなの?
2016年8月24日
そもそも103万円の壁って何?
年収は多ければ多いほど良い。正社員として働くうちは収入アップを目指すことはあっても、収入制限をすることはありませんね。ところがパート主婦になると年収を気にするのは税金が関係しているのです。 もちろん、正社員でもパートでも、税金を節約できるのならそれに越したことはありません。 でも、労働環境・福利厚生・年収などのプラスの点と支払うべき所得税のマイナス点を秤にかけると「税金を払わなくて済むギリギリの点」に収入を抑えたいという人は多いはず。 そのギリギリの点が103万円。
所得税の計算において、給与所得者は最低65万円の給与所得控除が適用されます。 そのほか、皆に一律にある38万円の基礎控除が適用されると、所得控除の合計額は103万円。 つまり、「103万円(年収)-103万円(所得控除)=0(課税所得)」となって、所得税もゼロになるというわけです。
103万円の壁にはもうひとつワケがある?
自分の所得税がゼロになるというのは大きいですが、配偶者の税金も節約できるとしたら、世帯全体でより大きなおトクを得られると思いませんか? 配偶者控除といって、年間の合計所得額が38万円以下つまり年収103万円以下の配偶者を持つ場合、もう一方の配偶者の所得から一定額の所得控除を受けることができるんです。 つまり夫の所得税や住民税が少なくなっておトクということなのです。
130万円の壁は?
130万円の壁という言葉もあります。これは社会保険に関係する金額です。 会社員・公務員の配偶者を持つパート主婦は、年収が130万円未満なら夫の社会保険の被扶養者になれるのです。 具体的にいうと、健康保険は自分で保険料を負担しなくても夫の健康保険に一緒に加入できますし、だからといって夫の健康保険料がその分アップするということはありません。 もうひとつの年金は、国民年金の第3号被保険者になります。自分で年金保険料を払うことなく将来は年金がもらえ、これまた夫の厚生年金保険料に影響することはありません。
今後は106万円の壁と160万円の壁に注目
103万円と130万円の2つの壁。これが変わろうとしています。 いま労働時間をやりくりしながら収入制限をしている人は、いまのままだと損をしてしまうかもしれません。
どう変わる? 103万円の壁
パート主婦本人は所得税ゼロ、夫の所得からは配偶者控除適用と、103万円以下で働いている女性には助かる制度ですが、一方で正社員として家事・育児を担いながら働く女性との不公平感を感じる人がいるのも事実。 この不公平を是正するため、また女性の益々の社会進出を促進するため、配偶者控除の廃止が長らく検討されています。 早ければ2017年1月から廃止される可能性も。 そうなると、このまま年収103万円の働き方を続けると本人の所得税はゼロのままですが、世帯全体でみると増税に。 夫の所得によりますが、所得税・住民税合わせて約5万円~20万円の増税になってしまうのです。
どう変わる? 130万円の壁
急いで対策をとりたいのが130万円の壁。 実は2016年10月から、パートタイマーなど短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用基準が変わることが決定しています。 現在は「正社員の4分の3以上の労働時間(約30時間)を越える」というのが加入基準。 これが、労働時間だけでなく、その他の条件も追加されるようになるんです。 具体的には「労働時間が週20時間以上」「年収106万円以上」「勤務期間1年以上」「従業員501人以上の企業」の4つすべてを満たすこと。 社会保険の壁が106万円になると年収が24万円のダウンになりますし、年収が106万円以上になると自分の給料から厚生年金保険料が天引きされて、手取り収入がダウンするんです。
160万円の壁って何?
103万円に抑えても、106万円でも世帯全体で収入ダウンとなるのなら、働き損にならないような働き方の検討をしてみましょう。 扶養に入るという考えを捨て、これからは結婚しても自分自身で社会保険料を払うことも考えて。 自分で健康保険や厚生年金を払っても世帯収入が減らない基準は一般的に160万円とされています。 労働時間を増やす、時給のよいパートに転職、正社員採用を目指すなど自分と家族のライフスタイルに合わせて検討してみてくださいね。