誰かから「今、一番好きな物は何?」「好きなことは何?」と聞かれたときに、すぐに答えられる生活をしていますか。
好きなことがあろうとなかろうと、生きていくことはできます。しかし、好きなことを多く持っている人は、持っていない人に比べ、より豊かな気持ちで毎日を送れるはず。
好きという感情は、お金の貯め方、使い方にも影響します。
お金との関係から考える「好き」について、4つの例をご紹介しましょう。
好きという感情を大事にしていますか
~好きとお金の関係~
2018年7月19日
「好き」のパワーを見直したい
誰にでもある好きなこと、嫌いなこと
他人のことを知るための質問で、「好きな○○は何ですか?」「嫌いな○○は何ですか?」といったフレーズをよく見かけます。気になる俳優さんや会社の上司、後輩の好きなことや嫌いなことを知り、イメージどおりと安心したり意外な一面だと驚いたりした経験は誰にでもあるものですよね。
そして、自分自身に目を向けると、好きなことや嫌いなことは自分を知る尺度にできます。これまでの経験を振り返ってみても、好きなことをやるのと嫌いなことをやるのとでは、意欲も結果もかなり違っていたのではないでしょうか。
好きなことと嫌いなことをうまく役立てる
当たり前のように存在すると軽く考えがちですが、好きという感情にはパワーがあります。生きる上での工夫として、例えばお金とのつき合いにおいても、好きという感情を利用しない手はありません。お金に対して好きというプラスのイメージを持つことはもちろん、好きな方法でつき合っていくということ。
簡単にお金を貯めるときだけでなく、節約など一見大変だったり面倒だったり思われがちな場面でも、好きでやっているという気持ちを持っていたいものです。必死な顔をして、ただガツガツとお金を貯めるより、心も充足した笑顔で貯めているほうが、もっとお金が寄ってくるような気がしませんか。
1.好きな自分でいられる仕事
仕事は、生活していくための手段であると同時に生きがいにもなりうる大事なものですね。多くの時間を費やすということもあり、好きな内容にこだわって仕事を選びたいという気持ちが湧くのも自然なこと。しかし、好きな内容にこだわりすぎて待遇面で妥協をし、不満を抱え続けてしまう人もいます。
好きなことが仕事に結びついたらうれしいですが、本業、副業にかかわらず、好きなことを楽しむ時間と仕事の時間を分けざるを得ない人が多いのも事実。好きと仕事という二つのワードがうまく結びつかず悩んでいる人は、好きの範囲を広げてみてはいかがでしょうか。
仕事を自分のためだけという視点で考えると、狭い視野の好きの範囲でしか選べません。そこで、社会に貢献する自分の姿を好きになるなど、新しい視点を持つようにすると選択肢が広がり、前向きに選べるようになります。「好きな内容の仕事」から「好きな自分でいられる仕事」への発想の転換です。
2.浪費につながる好きは本当の好き?
収集癖がある人でも、本当に好きな物だけを集め、収入に見合った範囲で楽しんでいれば何の問題もありませんよね。しかし、本当は好きではないのに好きと勘違いをして洋服や雑貨などを買ってしまう人もいます。
本当に欲しいわけではない品物を買ってしまい、その買うという行為だけで満足している人は、プチ買い物依存症かもしれません。買い物依存症は精神疾患です。依存症の原因にはストレスが大きく関係するといわれています。
少しでも思い当たる人は、買い物をしたくなるときが孤独感に襲われたときであるかどうかなど、自分の行動パターンに注意してみましょう。お金を無駄に使わないためにも、本当に好きな物を買うときの充足感を大事にしたいですね。
3.好きという感情が欲望からの解放をもたらす
子どもの頃に「賢者の贈り物」(オー・ヘンリー)という絵本を読んだ経験はありませんか。お互いを思いやる貧しい夫婦が、それぞれ大事にしていた物を犠牲にしてプレゼントを贈り合う心温まる物語です。
人は、好きな人と一緒にいると、お金にこだわりすぎず相手のことを考えるだけで心が満たされるようになります。余計な欲望から解放されやすくなるのですね。
本当の好きという感情が引き起こすのは、自分の思いどおりにしようとするような考え方ではありません。本当の好きという気持ちに出合うと、自分が一番ではなくなるはず。自分のためには頑張りきれなくても、好きな人や物のためには思わぬ力を発揮でき、仕事などをやり遂げる可能性も高められるのではないでしょうか。
4.投資の向き不向きの基準にも
将来への備えとして語られる機会の多い投資の問題。投資には向き、不向きがあるといわれます。例えば少しの損でも気になって日々のストレスになってしまうような人は、ハイリスクの金融商品に手を出すべきではありません。儲けの見込みが少なくてもリスクの低いタイプを選ぶ、投資額を抑えるなど、楽しめる範囲でリスク選択しましょう。
好きになって勉強を始める人がいて、面倒なことを避けて簡単に少額から試す人もいるのが投資の世界。後悔を避けるためにも、自分の好きな方法、ペースが一番ですね。
投資に限らず対象が何であれ、楽しめていれば、初めは知識がないようなことでも、だんだん好きになれます。お金を増やすことと日々を楽しく過ごすことのバランスをうまくとっていきましょう。
お金の問題も含め、日常生活の中で、やったほうがいいかな、やらないほうがいいかなと迷う場面にはよく出合うものです。そんなとき、信頼できる人に意見を求めるのも一つの方法ですが、一度自分の心ときちんと向き合ってみると、より納得した判断ができるようになります。
お金の使い方、貯め方に悩んだときは、私はこれが好きかな、好きになれそうかなと考えてみてください。おもしろいことにタイミングによっても好きになれるかどうかは変わるため、そんな自分の変化を楽しむ余裕も持ちましょう。お金とのつき合い方に好きという感情を生かし、よりよい毎日を過ごしていきたいですね。