節約!と聞くと、まず思い浮かぶのが食費の削減や、安いものの購入、おトクな商品やサービスを採用するということではないでしょうか? でも、実はおトクという言葉に躍らされて損をしているかも?皆さんが考える損得の基準、冷静にみてみると、実は・・・という結果があるかもしれません。客観的に損得を判断するポイントをおさえて、本当に使える節約術をマスターしましょう!
損得の正しい判断方法を身につけて、
使える節約術をマスターしよう!
2018年7月5日
値引き品、セール品には落とし穴
日々の生活費の中で、比較的節約しやすいのは食費ではないでしょうか。スーパーに買い物に出かけた際、値引きシールが貼られた商品や、広告の品として赤字で割引等がアピールされている商品などを思わず手に取ってしまった経験はありませんか?
通常の値段よりも安くなっている点では確かにおトクなのですが、実は落とし穴が! 値引きの品物を沢山買って、意気揚々を帰宅し、広げてみると予定に無かった品物を購入していたのであれば、要注意です。
皆さんは買出しの際には、買い物リストを持っていきますか?もともと予定していた買い物リストの商品の合計金額より、実際にお会計した金額が高いのであれば、いくら割引のものを買っておトクと感じていても、それはやはり無駄なものを買っているということ。
食材の場合、賞味期限の近いものは割引対象になりやすく、無計画に値引き品を買ってしまうと、消費しきれず、結局破棄ということになってしまい、節約どころか、食材を無駄にしてしまうことになってしまいます。
値引き品、セール品はおトクであることは間違いありません。ただし、買う前に本当に必要なものか、を一度考えてみましょう。食材なら、その食材でいつ何を作るか思いつかないのであれば、購入しないほうが無難ですし、洋服であれば、今本当に必要で、自分の持っているほかのお洋服と合わせられるかどうか、で判断しましょう。
おトクな割引品やセール品の購入で節約につなげるには、ズバリ必要なものを割引価格で購入すること!にあります。特に洋服などの場合には、シーズンごとに欲しいアイテムをリストしておき、セールのタイミングでそろえるのもひとつの方法です。
販促キャンペーンやポイントは甘い罠
もうひとつ、ポイントカードやキャンペーンシールも要注意です。
例えば、1,000円以上お買い上げでスタンプシール1枚、10枚集めるとXXXがもらえるといった販促キャンペーンをよく見かけますが、キャンペーンでもらえる商品は、本当にスタンプ10枚を集める為に支払った対価として適切なのか?ということを冷静に考えてみましょう。
いやいや、ちゃんと商品を買ったうえでもらえるんだから、おトクじゃない!と思う方もいるかもしれませんね。でも、例えば1,000円以上の購入が条件になっている場合、1,000円にあと少しで届かない、といったとき、これも!と1,000円達成のためだけに、商品をカゴに入れていませんか?
普段、絶対に必要なものを、必要なときに購入し、特典を手にする分には確かにおトクなのですが、前述のように、キャンペーンのために購入しているのであれば、やはりそれは無駄な買い物で、おトクではなくなっているかもしれません。
キャンペーンやポイントカードは、その付加価値を得るために追加の費用が掛かってしまっては意味がありません。ついつい、ポイントやシールを集めることに重きを置いてしまい、節約を忘れがちという方は、その特典を得るために一体いくら使わなければならないかを考えてみましょう。もしかしたら、同じだけの金額を出さずとも、普通に購入できる特典商品かもしれません。
またポイントは有効期限をチェック。有効期限内に貯められそうにないと思ったら、そもそもポイントカードを作ることをしない、という選択も必要です。
もったいない精神が、損を引き寄せる?
ちょっと目線を変えてみましょう。
1,800円を支払い、映画を見に行ったとします。残念ながらその映画は期待に反してとてもつまらないものでした。あなたは、最後まで見ていきますか? それとも、席を立ちますか?
最後まで残ると答えた方の多くは、1800円支払ってのだし、お金がもったいないから見ていくと判断されたと思います。席を立つと答えた方は、つまらないものを見続けるなんて、時間がもったいないから見ていくと判断されたのではないでしょうか。同じもったいないという考え方でも、行動は異なりますが、コストという観点では、1,800円でどちらも変わりません。このように、取り戻すことのできないコストを「サンクコスト」といいます。実は、このサンクコストは人が物事を判断する際に、非常に影響を与えるのです。
例えば、前述の販促キャンペーンの例をとると、キャンペーン期間が今日で終わるとします。でもあなたは今の時点では、キャンペーンに応募するには1枚だけシールが足りていません。そこで、多くの人が、ここまでに費やしたお金やここまで続けてきた労力を振り返り、ここで諦めるのは勿体ない!と考え、不要な購入をしてしまうのです。勿体ない!のはずが、実は不要な本来であれば不要だった出費を引き出してしまった例です。
もう1つ例を出してみましょう。あなたは、あるライブに行きたいと考えており、そのライブには、10,000円までなら出せると考えていました。すると前売りチケットが、7,000円で販売されていたので、購入し、当日を向かえたのですが、なんとチケットを無くしてしまいました。ラッキーなことに、会場では当日券が9,000円で販売されています。
さて、あなたは購入しますか?しませんか?
迷ったのであれば、先に出した7,000円のサンクコストが判断に影響を与えているといえます。
「費用」と「効果」を結びつけて考えるのであれば、もともとあなたは、ライブという効果に10,000円まで出せると考えており、ライブを見るための単価だけで見れば、当日券の9,000円を購入しても、まだおトクなはずだからです。
少し難しい話だったかもしれませんが、人が何かを判断する際には、サンクコストが影響を与えるのだということを頭の片隅においておくだけで、もったいない精神がかえって損を招く事態を避けることができるかもしれませんよ。