今仕事をしている人もしていない人も、スキルアップのために資格取得を考えている人は多いと思います。そこで“稼げる資格”と検索すると出てくる「弁護士」「医師」「公認会計士」‥といった、とても今からでは挑戦できそうもない資格ではなく、ゼロからでも資格取得が出来て、現実的に稼げそうな資格をランキング形式でご紹介します。今の年収を少しでもアップさせたい、就職活動を有利にしたいなど、あなたにあった役に立つ資格を探してみてくださいね。
ゼロから挑戦できる!
女性のための稼げる資格ランキング
2018年5月23日
人気資格と稼げる資格は違う
資格講座などで、女性に人気の資格ランキングなどがよく紹介されていますが、ほとんどは資料請求数で人気度を見ています。しかし、実際その資格を取ったからと言って、収入に結びつくかは疑問です。
趣味、あるいは教養として資格を取るのもいいですが、資格を取って、収入をアップさせたい、就職に結び付けたいという人は、その資格がお金を生むのかに注目して選ぶ必要があります。
とはいえ、今から難関資格に挑戦するわけにもいかないと思いますので、取りやすさも考慮して選んでいます。参考にしてみてください。
※「職業・資格別年収ランキング|年収ガイド」、「平均年収.jp」、「資格の難易度」を参考にし、筆者独自の視点も取り入れたランキングです。
1.社会保険労務士
取りやすさ ★★
お役立ち度 ★★★★
社会保険労務士とは、社会保険や雇用保険の手続き、労働契約や就業規則の作成など、就労者の法律面をサポートするお仕事です。業務独占タイプの国家資格なので、独立開業ができるのが魅力です。もちろん企業に就職するケースも多く、自分にあった働き方の選択が可能です。
年金の仕組みの複雑化、働き方の多様化などにより、今後も増々注目される資格と言えるでしょう。
一方で、受験者数は年々右肩上がりで増えており、試験の難易度も上がってきています。合格率は10%未満という厳しいものです。
ただ、受験資格は短大卒以上または高専卒以上であれば誰でも受けることができ、高卒であっても実務経験や指定の国家試験合格によって受験できるので、門戸は広いと言えます。
2.看護師
取りやすさ ★
お役立ち度 ★★★★★
需要は多いものの、看護師の資格なんてそう簡単に取れるものではないと思われるでしょう。確かにそのとおりなのですが、ゼロから挑戦でき、確実に稼ぐことができるという点では、看護師の他はないとも言えるほどです。ゼロからというのは、今がどんな状況でも、年齢がいくつであっても、目指そうと思えば目指せるのです。
看護師と一括りにしていますが、准看護師と正看護師があります。准看護師は正看護師より給料面では低いものの、正看護師よりもなりやすいというメリットがあります。
准看護師になるための最短ルートは准看護師養成所に2年通うことです。40歳以上で看護系学校に入学する人が2006年から2016年の10年でほぼ倍増したという調査結果があります。(※厚生労働省調べ)いつの時代も看護師の需要が切れることはありません。確実に実になる資格と言えるでしょう。
3.日商簿記検定
取りやすさ ★★★★★
お役立ち度 ★★★
女性が就きやすい仕事として経理事務がありますが、簿記検定は経理の仕事をするにあたって必須とも言える資格です。求人情報を見てみると、経験があれば簿記3級、未経験であれば簿記2級を持っていれば、就職しやすいように思います。
日商簿記は2級、3級が年3回、1級は年に2回試験があります。合格率は3級50%、2級20%、1級10%未満といったところです。
資格としては取りやすい資格と言えますが、その分、持っている人も多く、この資格だけで勝負するのは難しいでしょう。しかし、女性が就きやすい事務職は人気が高く、競争率が高くなる中、誰でも出来る事務よりは簿記の資格を生かした経理事務は強みになります。簿記資格プラス実務経験があれば、事務系の仕事を探すのにそれほど苦労はしないでしょう。
4. MOS(Microsoft Office Specialist)
取りやすさ ★★★★★
お役立ち度 ★★★
MOSとは、マイクロソフト社が認定する Microsoft Office のスキルレベルを客観的に評価する資格です。ソフト単体で実技形式の試験を受けます。「Word」、「Excel」、「PowerPoint」が一般的ですが、その分、取得している人も多いので、差別化を図るなら、データベースソフトの「Access」を取得するとよいでしょう。レベルは2段階あって、一定の技能があれば取得できるスペシャリストとさらに上級のエキスパートがあります。
1科目2週間~1か月程度の勉強時間で、独学で取得可能です。
パソコンスキルはできて当たり前と言う人もいますが、特にExcelは使いこなせると仕事の幅がグンと広がります。
簡単な表しか作成できない人と関数やマクロ機能、データの抽出など実務レベルで使える人とでは当然、時給として差が出てくるはずです。
5.宅地建物取引士
取りやすさ ★★★
お役立ち度 ★★★★
不動産の売買、賃借の取引を行う際に必要な国家資格です。不動産会社などの事務所には従事者5名に対して1名以上の割合で、宅地建物取引士を置かなければならないという規定があるため、ニーズの大きい資格です。
受験資格に制限はなく誰でも受けることができます。試験は年1回、合格率は15%前後となっています。
不動産会社はもちろん、金融機関や住宅メーカーなどでも活躍できる資格です。また、この資格を持つことで不動産業を開業することもできます。業界には男性が多いイメージですが、それ故に女性は狙い目でもあります。
6.ファイナンシャルプランナー
取りやすさ ★★★★★
お役立ち度 ★★★
家計にかかわるお金の問題を扱う専門家がファイナンシャルプランナー(FP)です。税金、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金、相続と幅広い知識が必要です。
国家検定であるFP技能士(1級~3級)と、日本FP協会認定資格のAFPとCFPがあります。AFPが2級FP技能士レベル、CFPが1級FP技能士レベルになります。
2級と3級は年に3回試験があるので取りやすい資格と言えるかもしれません。
社会保険労務士のように業務独占資格ではないので、FP資格を取ったからと言って何かができるわけではありません。保険会社、不動産会社、金融機関ですでに実務を積んでいる人が持っていると重宝される資格です。そこで経験を積んで、FPとして独立する人もいます。
7.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
取りやすさ ★★★★
お役立ち度 ★★★★
介護職員初任者研修とは介護資格の入門資格です。介護の仕事は掃除や洗濯、料理などの「生活援助」と食事や入浴、排せつなどを手伝う「身体介護」の2種類があります。この身体介護を行うためには介護資格が必要になってきます。以前のホームヘルパー2級にあたりますが、相違点は試験があることです。試験と言っても、研修終了後に全体を振り返るような試験ですので、落ち着いて望めば難しいことはありません。
この資格を取ることで、介護の仕事のスタートラインに立つことができ、そこから3年の実務経験を積めば、国家資格である「介護福祉士」受験資格を得ることができます。
高齢化によって増々介護職の需要は高まりますので、資格を取って続けてさえいれば、上級資格へのキャリアアップ、収入アップにつながるでしょう。
8.調理師
取りやすさ ★★
お役立ち度 ★★★★
調理師は名称独占資格であるため、資格を取った者しか調理師と名乗れません。但し、調理師の免許を持っていなくても調理の仕事に就くことはできます。しかし、お給料の面や信頼という意味でも調理師の免許は威力を発揮します。
取得方法は2通りあります。
実務経験を2年以上積んでから、調理師試験に合格する方法と厚生労働大臣の指定する調理師養成施設に1年以上通って卒業することです。
将来、自分のお店を持ちたいという人にとっては、調理師免許は成功のカギとなるでしょう。
9.行政書士
取りやすさ ★★
お役立ち度 ★★★
行政書士とは、報酬を得て法人設立の手続きや各種申請など、官公署に提出する書類の作成を行う専門家です。「街の法律家」とも言われます。
受験資格に制限がなく誰でも受験することができるため、資格試験の中では人気の資格です。試験は年1回行われ、合格率はここ数年10%前後で推移しており、年々難化しています。
行政書士の仕事は独立開業する方法と、行政書士事務所などに就職する方法があります。
また、行政書士からのステップアップとしてダブルライセンスを取り、仕事の幅を広げている人もいます。
10.医療事務
取りやすさ ★★★★★
お役立ち度 ★★
資格講座などでは、女性が取りやすい資格ということで非常に人気がある資格です。事務職でありながら、接客業のスキルも求められるので、医療機関の顔として働くことにやりがいを感じる人も多いと思います。
ただ、誤解をしている人もいますが、医療事務を行うにあたって資格はいりません。医療事務の資格は民間の資格、検定なので、あくまでも自分の知識レベルを示すものでしかありません。
それでも、医療事務の仕事は人気があるので、応募者多数の場合、資格を持っていると有利に働くでしょう。
資格は万能ではないけれど
どの資格にも言えることですが、資格を取ったからと言って、すぐに収入アップや就職に結びつくものではありません。しかし、資格が未経験の職種に就くための切符になったり、今の仕事からキャリアアップするためのジャンプ台になったりすることは大いにあります。
また、雇用保険の一般被保険者、あるいは一般被保険者であった方は、所定の条件を満たせば、教育訓練受講に支払った費用の一部を「教育訓練給付金」として受けることができます。こうした国の制度も上手に利用しましょう。
最近、自分に栄養を与えてないなと思ったら、何かの資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。