春になると、マスクをしている人をよく見かけます。誰でも、いつなるかわからないといわれている花粉症の鼻や目などのアレルギー症状は、とてもつらそう。いつか自分も花粉症になってしまうのではないかと、ひそかな不安を持っている人も多いでしょう。
そんな花粉症と同じ時期に話題になる黄砂ですが、黄砂によるアレルギーにも、実は注意が必要です。
黄砂アレルギーとはどういうものなのか、なぜ気をつけておくべきなのかについて、お金事情も合わせて、ご紹介します。
黄砂アレルギーに
気をつけておきたい理由とお金事情
2018年5月6日
黄砂アレルギーとは
春に多くやってくる中国大陸からの黄砂
春になると、車の上などに、うっすらと積もった砂を見かけるようになりますね。花粉なのか黄砂なのかよくわからないものの、気になる春の現象の一つです。
黄砂とは、中国大陸の砂漠地帯から風にのって日本に飛んでくる砂のこと。ただの砂ではなく、大気汚染物質などの人体に有害とされる成分が付着している可能性があり、注意が必要といわれています。この有害物質がアレルギーの原因となるためです。
年間を通して飛んでくる可能性のある黄砂ですが、特に春に飛来量が多くなります。花粉の飛散時期と重なるパターンが多いのです。
花粉症の症状と勘違いしている可能性も
黄砂アレルギーの症状は、花粉アレルギーなど、ほかのアレルギー症状と同じような形で表れます。
【黄砂アレルギーの症状例】
・目のかゆみ
・鼻水
・喘息の悪化
・咳
・皮膚炎
黄砂の飛来する時期が花粉症の時期と重なるため、「花粉症の症状がつらくなったな」「この症状は花粉のせいかな」と黄砂アレルギーの症状を花粉アレルギーのためと勘違いしてしまうケースもあります。
アレルギーを発症するとお金がかかります
アレルギーに気をつけたい理由
花粉症患者が増えているという話を聞いたことはありませんか。アレルギー疾患には喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど複数の種類がありますが、アレルギー疾患を持つ人の割合は日本で増加傾向にあります。
2005年には約3人に1人とされていたアレルギー疾患を持つ人の割合が、2011年には約2人に1人となり、アレルギー疾患は国民病ともいわれるようになりました。
2014年には、アレルギー疾患対策基本法という法律まで国会で成立しています。「アレルギーは他人事ではない」と考えておきたいですね。
出典:厚生労働省
アレルギー治療にかかる費用の例
黄砂アレルギーを発症してしまうと、つらい症状を和らげるための治療が必要となります。対症療法を行いますが、出ている症状によって治療の内容や費用が異なるため、人によってかかる費用が変わってきます。
花粉症と同じような症状の場合で考え、著者の家族の花粉症治療費用(薬の服用が1月から4月くらいまで)を、参考までにご紹介しましょう。
【受診した年:耳鼻科受診料:薬代】
2016年:12,000円:5,000円
2017年:7,500円:5,000円
著者の家族は鼻と目にも症状が出ていたため、飲み薬と点眼薬が処方されています。皮膚炎の症状や喘息症状がある人の場合は、その分の治療費も上乗せされてしまいますね。
検査代などがかかる場合も
先ほどご紹介した花粉症治療にかかる費用が、年によって異なることに気づいた人もいるでしょう。理由として、検査代の差が挙げられます。
アレルギーの治療を行う際は、必要に応じてアレルギーの原因を特定するための検査や、鼻の奥の炎症確認の検査などが必要となるのです。
人によっては、漢方薬や点鼻薬を使用する場合もあるでしょう。花粉症に効くといわれるヨーグルトや、お茶、市販薬(処方薬と併用する場合は医師への相談が必要)を使用する人もいるはず。その場合は、アレルギー対策支出が、さらに多くなる計算になりますね。
黄砂を避けるために、どうしたらいい?
黄砂が飛来する日をチェックしてみよう
アレルギーを発症している人も、まだ発症していない人も、アレルギーの原因となる可能性のある黄砂を、なるべく避けたいと思うもの。そのために、どのように行動したらよいでしょうか。
テレビでは、お天気情報とともに花粉飛散情報を目にする機会が増えました。しかし、飛来する日が少なめの黄砂の飛来情報は、聞き逃してしまう心配があります。
気になる人は、気象庁が発表している濃度別黄砂情報を確認すると安心です。その上で、飛来の多い日に注意しましょう。飛来の多い日には外出を控えたいところですが、外出が必要な場合でも外での行楽でなく屋内の行楽にするなどの変更を検討できますね。
【気象庁黄砂情報】
http://www.jma.go.jp/jp/kosafcst/
体の中に取り込まないように
黄砂の粒子は細かく、吸い込んでしまうリスクが高いため、外出の際はマスクを利用しましょう。また、帰宅後に顔を洗ったりうがいをしたりするなどの対策もおすすめ。
花粉対策と同様、粒子がつきやすいザラザラした素材の上着ではなく、はたいて落としやすいツルツルした素材の上着を着るようにすると家の中への持ち込みを防げます。
窓の開け閉めの時間や、洗濯物の室内干し対策なども検討してみてください。こまめな掃除も心がけたいですね。
アレルギーは、体の負担となるだけでなく、お金もかかってしまうやっかいな問題です。春になると飛来量が増える黄砂には、体に有害となるリスクがあると知っておきましょう。
黄砂アレルギーを発症してしまうと、これまでかからなかった医療費がかかるようになってしまいます。快適な毎日を過ごしていくため、今回の情報を役立てて、ぜひ対策してみてくださいね。