賃貸に住み続けるか、思い切ってマイホームを購入するか……。ライフスタイルにかかわらず、多くの人が一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか。住居は一生のうちでもとても大きな買い物なので、簡単に決められることではないですよね。後悔のない選択をするために考えておくべきポイントをあげてみました。
永遠のテーマ!
賃貸 or マイホーム、どっちがおトク?
2016年6月6日
マイホームを買うべきか迷ったときのチェックポイント
将来にわたる住まい方をプランニングする時、必ず出てくる問題が「マイホーム購入か、それとも賃貸でいくか」という悩みです。結局どちらがおトクなの?という質問をよく受けますが、これに関しては答えがありません。どちらにもメリット・デメリットがあり、何歳まで生きるのかによっても答えは変わってきます。また、住まいは個人の価値観が大きく反映されるものなので、お金の損得だけで判断するのは難しいのが現実だったりします。
大切なのはそれぞれのメリット・デメリットを把握した上で選択するということ。どちらを選ぶかによって必要な出費の内訳も変わってくるので、自分のライフプランに合った選択肢を冷静に判断する必要があります。
持ち家のメリットとしては、住宅ローンを完済すれば住居費がかからない、自由にリフォームできることなどが挙げられます。デメリットは、転居がしにくい、維持や管理にお金がかかるといったところでしょうか。
賃貸のメリットとしては、ライフスタイルに合わせて転居しやすい、まとまった資金が不要ということなどが挙げられます。一方、デメリットは一生賃料が発生する、貸主の都合によって貸してもらえなくなる可能性があるということ。どちらにも一長一短があるので、自分にとって何が大切か、優先順位をつけて考えましょう。
結婚していたり両親と同居している人は、自分だけでなく家族の事情を考慮する必要も出てきます。パートナーが転勤の可能性が高い仕事についている人は、ある程度状況が落ち着くまでは賃貸に住んで様子を見るほうがいいかもしれません。また、小学生や中学生の子どもがいる人は、早くに持ち家を購入して住む地域を固定してしまったほうが、転校の心配もなくローンも早期に払い終えられていいという考えもあるでしょう。
どちらを選ぶかで、老後の資金計画にも影響が
マイホーム購入か賃貸かによって、かかるお金の種類も変わってきます。マイホーム購入時は通常、頭金、初期費用などで最低でも数百万円のまとまった資金が必要になりますが、賃貸の場合は敷金、礼金など数十万円ほどで済むことがほとんど。一度に払って老後に楽をするか、賃貸でお金の支払いを分散するかの違いです。
必要な資金については、初期費用だけでなく長い目で見て検討することも必要です。マイホームを購入した場合、若くして少なくない額のローンを支払わなければなりませんが、定年までに支払いを終えてしまえば、老後の住居費を大幅におさえることができます。
賃貸ではマイホームに比べて維持費は少なくて済むものの、一生家賃を支払い続けなければなりません。今は問題なく家賃を支払えている人でも、年金生活になってから家賃を捻出するのは、想像以上に大変なこと。家賃5万円の賃貸を選ぶとしても、25年住めば1,500万円ものお金が必要になります。生涯賃貸を選びたいという人は、このぶんも計算に入れてボーナスを貯金しておいたり、若いうちから家賃をおさえて節約するなど、準備をしておかなければなりません。
とはいえ、マイホームも築年数が経てばリフォームが必要となりますし、どちらが損でどちらが得かは人生の最期にならないと分かりません。だからこそ、より満足度が高く自分の価値観やライフスタイルに合った住まいを選びたいですね。
ライフスタイルに合わせて後悔のない選択を
自分の価値観を見直すのに役立つのが、ライフプラン表です。実現したい夢や目標を書き込むうちに自分が人生で何を重視したいのかがわかってくるので、どんな住まい方が向いているのか見えてきます。
家族と一緒に、ひとつの場所で落ち着いた暮らしをしたいという人にはマイホームのほうが向いているでしょうし、国内外を問わずいろいろな場所で仕事をしたり、生活をしてみたいという人には、賃貸のほうが向いているでしょう。また、そのときの状況によって最適な生活環境を選びたいという人には賃貸のほうが向いているでしょうし、効率よりも一度住んだ住居への愛着のほうを重視したいという人にはマイホームのほうが向いているでしょう。
賃貸とマイホームのどちらを選ぶべきかは、結局はその人次第で、これという正解はないのです。でも、人生のうちでも重大な決断のひとつであることはたしか。自分の人生はどうしていきたいか?必要なものは?そのとき住んでいる場所は?家は?ぜひライフプランとともに、住居のことも考えてみてくださいね。