みなさん赤ちゃんを授かったら、さまざまなお金を国や市町村からもらえることをご存知ですか?実はよく知られているものから、こんなものあったの?というものまで、日本には出産、育児に手厚い給付金制度がいくつか存在します。
後からそんな制度あったの?と後悔するのはもったいないので、今回は、専業主婦さん、働いている方と、それぞれの立場に合わせてもらえる給付金の概要をまとめてみました。記事を読んで、もれなく給付金を受け取れるよう準備してくださいね。
赤ちゃんを授かったら
確認しておきたいお金のコトって?
2016年10月11日
キャリア女性・専業主婦使える制度は?
まずは、キャリア女性・専業主婦問わず、共に使える制度についてまとめてみました。
出産育児一時金
健康保険または国民健康保険に加入されている方が対象で、健康保険組合から子ども一人当たり42万円支給されます。
被保険者の資格を喪失してから半年以内に出産した場合でも、被保険者期間が継続して1年以上あれば受給できます。
入院時にこの制度を利用することを告げ、病院と受取代理契約を結びます。
こうすることで今まで退院時に用意していた多額のお金は差額で発生した少額費用に軽減されます。
なお申請期限は、出産日の翌日から2年以内です。
児童手当
小学生、中学生がいる父母が対象で、市町村役場(公務員の方は勤務先)から年齢別に一定額が毎月支給されます。
3歳未満は1万5千円、3歳~小学校終了前までの1人目、2人目は1万円、3人目は1万5千円、中学生は1万円支給されます。
ただし、給付には各世帯の所得制限限度額があるので、各市町村役場であらかじめご確認ください。
子ども医療費補助
子どもにかかる医療費を助成してくれる制度です。対象は0歳から中学校卒業年度まで、助成範囲は自治体によって異なり、医療費が無料になるか、少額の支払いで済みます。
医療機関での医療証の提示が必要な為、子どもが生まれたらすぐに健康保険加入手続きをとって、医療証の交付を申請してください。
なお、引越しなどで住民票が変わった人もすぐに申請することをお忘れなく。
未熟児養育医療制度
身体が未熟で生まれた乳児が対象で、入院治療、養育に必要な医療費を自治体が負担する制度です。
助成は保険診療の自己負担分ですが、世帯の収入に応じて助成額が決定されます。
手続きが遅れると助成が受けられないので、赤ちゃんが生まれたらすぐに市町村役場に申請してください。
キャリア女性が使える制度は?
また上記のものに加えて、仕事を続けているキャリア女性には追加で下記の制度を利用することができます。
出産手当金
健康保険の被保険者が対象で、出産休み中に会社から給料が支払われていない、または、支払いを受けても出産手当金より少ない場合に支給され、勤務先の健康保険組合、協会けんぽに申請します。
給付額は1日につき、標準報酬日額(*標準報酬月額(直近の4月~6月の平均月収)÷30)の約3分の2で、産前42日、産後56日間支給されます。
出産中に会社を退職した場合でも、退職前に出産休みに入っていること、退職した翌日までに、1年以上の健康保険加入期間があるという要件が満たされば受給資格があります。
育児休業給付金
1歳もしくは1歳2か月に満たない子どもを育てるために、育児休業を取得する雇用保険加入者が対象で、給付要件は、育児休業開始前の2年間に、1か月で11日以上働いた月が12か月以上あり、育児休業期間中に、休業開始前の賃金の8割以上が支払われていないことです。
支給額は、産後から半年間が育児休業開始時賃金の50%で、半年後からは67%です。申請期限は出産日の翌日から2年以内で、給付先はハローワークです。ちなみに、育児休業は原則子どもの1歳、パパママ育児プラスの1歳2か月までですが、保育所に入れなかった場合などは1歳6か月まで認められています。なお、各種給付金の申請方法に関してはこちらの記事で紹介しているので、申請期限、申請先、申請に必要なものなど、しっかり準備をしてくださいね。
その他知っておきたいお金のことって?
そのほか、子育てをするにあたり、知っておきたい制度などについてもご紹介します。
医療費控除
医療費を年間10万円を超えて支払った人が対象で、税務署に確定申告書を提出することで支払ったお金の一部が戻ってきます。
戻ってくるお金は、年間医療費の合計―健康保険などの給付金―10万円で最高で200万円まで戻ってきます。
注意としては、控除の対象になる医療行為、ならない医療行為があることです。
また、確定申告書には領収証の添付が求められますので、必ず医療費の領収書は保管しておくこと、通院費用など領収書のないものは、費用について説明出来るようにまとめておくことが大切です。大切なお金が戻ってくるので手間を惜しまずに整理しておくことを心掛けてください。
学資保険
学資保険は、家族の稼ぎ手(夫とします)の死亡に備えながら教育費を準備する貯蓄型の保険です。保険料の払込期間中に夫が死亡するとその後の保険料が免除となり、あらかじめ定めた学資金を受け取れる仕組みで、受け取るタイミングで戻り率が変わってきます。
基本的には満期や入園・入学に合わせて祝い金を受け取れる「貯蓄機能」と夫の死亡に備える「保障機能」の2つの面があります。
保険の加入は妊娠中から可能であり、加入時期が早ければ早いほど積立期間が長くなり毎月の支払負担も軽くなるのが特徴です。
出産・育児に関する給付金は知っていればもらえるものがいくつかあります。
ただ、自分で全てを勉強し情報収集するのは大変で、出産、育児という肉体的にも精神的にも負担の掛かる時期にゼロから調べて手続きに行くことが困難な場合もあります。
そのため、出産までの安定期など時間のある時期に市町村などで問い合わせたり、インターネットで調べて準備しておくことが大切です。
国や市町村の助成制度を上手に活用して、お金の面でも安心した子育てができる環境をつくってみてくださいね。