つみたてNISAやiDeCoを利用して資産運用していきたいと思うけど、どちらを選べばいいのかわからなくて悩んでいませんか?もちろん両方できるのが理想ですが、まずは、仕組みや違いを理解すること、その次にあなたの働き方や、毎月運用に当てられる金額はどのくらいかによって、どちらがよいかは変わってきます。あなたにとって始めやすいのはどちらか、一緒に考えてみましょう。
どっちを選んだらいいの?
つみたてNISAとiDeCoを徹底比較!
2020年12月11日
つみたてNISAとiDeCoのちがいは?
つみたてNISAは、年間最大40万円、20年間非課税で積み立てて運用できる制度です。運用できる商品は、運用コストの低い金融庁が厳選した商品に限られているため、数ある投資信託から選ぶより失敗なく選ぶことがしやすいことも特徴です。通常、売却で得た利益は約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAでの利益は非課税となっています。
iDeCoは、老後資金づくりのための年金制度の一種です。 つみたてNISA と同様、運用益は非課税で運用商品も厳選されています。年間の積立限度額は、会社員であれば会社の企業年金の加入状況によって、また、自営業や専業主婦の方も限度額はそれぞれ違います。掛金限度額は、以下の通りです。
つみたてNISAに加入できる対象者は 、その年の1月1日時点で20歳以上の国内に住んでいる人で年齢の上限はありません。iDeCoは20歳以上60歳未満ですが、2022年5月より65歳未満まで引き上げられる予定になっています。
つみたてNISAは、途中で売却して現金化することも可能ですが、 iDeCoは原則60歳になるまで引き出すことができません。 つみたてNISAで、税金が優遇されるのは売却益だけですが、iDeCoの方は、売却益の税金控除だけでなく、掛金が全額所得控除されること。さらには、退職所得控除や公的年金控除も受けられます。
つみたてNISAとiDeCoのメリット・デメリットは?
つみたてNISAの2つのメリット
1.いつでも売却可能で現金化できる
老後の資産だけでなく、子どもの教育資金のような用途にも使うことができます。
2.投資金額と商品の変更がいつでも可能
カンタンな操作だけで、投資金額も商品も変更が可能です。
この2つのメリットから、つみたてNISAは気軽に始めやすいと言えるでしょう。
つみたてNISAのデメリット
「スイッチング」ができない
「スイッチング」とは、 保有していた商品を売却したり、解約したりして別の商品に入れ替えることで保有資産の割合を変更することです。40万円の非課税枠は増えないので、売却した資金で新しい商品を買っても、つみたてNISAの枠に入れられないのです。
iDeCoの3つのメリット
1.税金面でおトクなことが多い
先ほどもお伝えしましたが、売却益が非課税になるだけでなく、 所得控除や退職所得控除、公的年金控除も受けられることです。
ここでは、所得控除を例にどのくらい節税になるかご説明します。
所得控除が受けられると言うことは、働いている人が毎年払っている所得税や住民税が安くなり毎月の手取り収入が増えるということです。
例えば、年収が400万円で、iDeCoの毎月の掛金が1万2,000円の場合、所得税と住民税の合計は20%になりますので1万2,000円×12ヶ月=14万4,000円×20%=2万8,800円が年間の節税額です。仮に、30歳から60歳まで30年間かけた場合の節税額は、2万8,800円×30年=86万4,000円にもなります。 やるとやらないとでは、差が大きいことがわかりますね。
2.「スイッチングが可能」
つみたてNISAでできない「スイッチング」がiDeCoでは可能です。
3.強制力がある
iDeCoは、原則60歳まで引き出せません。「強制的に貯金しないと使ってしまう」と感じる方にはメリットですね。
iDeCoの3つのデメリット
1.原則60歳まで引き出せない
これは、メリットでもありますが、緊急でお金が必要な時にはデメリットにもなり得るので注意が必要です。
2.さまざまな手数料がかかる
手数料の内容は、口座の開設時に1度だけかかる口座開設手数料約2,800円、口座管理手数料が1年間に2,000円〜、高いところでは6,000円近くかかる金融機関もあります。また、 60歳を過ぎると一時金が年金で受け取ることができますが、受け取るたびに432円(税込)の手数料がかかります。 月5,000円から掛けることができますが、掛金が少ないほど手数料にかかる割合が大きくなってしまいます。
3.掛金の変更が複雑
掛金の変更はできますが、一年に一回しかできず、変更する際にも書類を取り寄せて手続きする必要があります。
つみたてNISAとiDeCo、私に向いているのはどっち?
まとめると、以下の通りです。
つみたてNISAに向いている人
・ 所得が少ない、減る予定がある、毎月掛けられる金額が少ない人
・子どもの大学費用など、老後資金以外の資産を効率的に貯めたい人
iDeCoに向いている人
・ 安定した収入がある人
・月1万円以上かけられる人
・老後資金を作りたい人
・老後まで時間がある人 (10年以上)
つみたてNISAとiDeCo、どちらに向いているかイメージできたでしょうか?いずれにしても、節税もできて、運用手数料が低く、比較的分かりやすい商品に厳選されたつみたてNISAやiDeCoで運用するメリットは大きいです。また、長い時間をかけてコツコツ積み立てができることは、銀行に預貯金として預けるよりは、資産が効率的に増える可能性が高くなります。ぜひやってみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2020年12月11日時点のものです)