今人気のゲーム「あつまれ!どうぶつの森」。ご存知の人も多いのではないでしょうか?可愛い動物たちに囲まれて暮らすゲームですが、実は私たちの実生活に近いお金のことも存在するのです。ゲームで学べる金融知識、これはやってみる価値あり?
超人気!「あつまれ!どうぶつの森」
で学べる金融知識!
2020年7月17日
「あつまれ どうぶつの森」とは?
皆さんは、「あつまれ どうぶつの森」というゲームをご存じでしょうか?このゲームは大手ゲーム会社である任天堂が出しているゲームになります。簡単に説明すると、可愛らしい動物たちと一緒に島で過ごすゲームなのですが、実はお金の内容が絡んできます。難しいお金の話でもゲームを通してならスッと理解できるかもしれません。
「あつまれ どうぶつの森」(以下、あつ森)では大きく分けて2つのお金の知識を学ぶことができます。住宅ローン、株式投資。それぞれ、どのような内容なのでしょうか?
住宅ローン
まず、島で暮らすにあたり「移住パックプラン」を「たぬき開発」から購入します。最初はテント暮らしなのですが、生活するにあたり社長である「たぬきち」さんから「マイホーム建てないか?」という提案をされます。ここで「マイホームを建てる」という選択をすれば(強制的に)住宅ローンを組まされます。そして、返済が始まります。現実の世界と違うところは、以下の2つが挙げられます。
・契約書がない
・返済に関して無利子・無期限
契約書はよく読もう
契約書がない、という点についてなのですが、ゲームの世界です。契約書がなくても問題ないです。ただ、問題があるとすれば、ここで「マイホームを建てる」という選択をしなければ、ゲームが進まない、という点が挙げられます。これはゲームをしている人にとっては痛手です。契約書がない代わりに実質ゲーム終了になってしまいます。なので、どんな値段を提示されてもそれを飲むしかありません。その意思決定が即時求められます。「はい・いいえ」の2択とはいえなかなか難しい問題ですね。ある意味、現実世界よりも厳しい条件かもしれません。
実際、住宅ローンを申込む時は、キチンと金融機関で契約書を結びます。金融機関によって、金利・毎月の返済金額・返済方法が異なってきますので、契約の時にはきちんと確認しましょう。そして、必ず何社か見積をお願いして、比較・検討しましょう。
利子・返済期間・返済金額を確認しよう
次に「返済が無利子・無期限」という点。現実世界では「利子○%、○年返済」がきちんと契約書で決められています。しかし、このたぬき開発の社長、たぬきちは「無利子・無期限でいいだなも!」と言ってくれます。なんということでしょう!現実世界では、借りる金額には必ず利子が付きます。利子はその貸し手である銀行の利益になるものだから無利子なんてありえません。それを「無利子」と謳っています。
さらに「無期限」です。通常であれば「○年以内に全額返済」と契約を交わすのですが「無期限」です。すなわち、返すのはいつでもいいよ!と言っているのです。恐ろしや、たぬき開発。なぜこのような事ができるのか?といえば、やはり返済しなければゲームが進まない、という事になります。なにがなんでも返済させる仕組みがゲームでも出来上がっているのです。
現実世界と同様、住宅ローンの借りる額、返済期間、今回は無利子ですが、自分で計画を立てて進めて行かなければ人生大変な事になる、ということが学ぶことができますね。どのタイミングで、今回はどれくらいの金額を返済しようかなど、現実世界の「繰り上げ返済」のように思えます。これから住宅の購入を考えている方は、一度ゲームの世界で体感してみると良いかもしれません。
株式投資
あつ森の世界では「株式取引」ではなく「カブ取引」という名で取引をします。そう、「蕪(かぶ)」を売買するのです。カブ売りの「ウリさん」が毎週日曜日にカブをウリに来ます。
しかも親切な事に「ばっちゃんが作ったカブはね、食べるよりも売買されることの方が多いんだ」と教えてくれます。実際は野菜の「蕪」を買うのですが、株券と同じ仕組みになっています。(現在、株券は電子化されており存在しません)株式投資の基本は、「安く買って、高く売る」です。それが「カブ」で体験ができます。ゲームとはいえ、売るタイミングが難しいもの。このタイミング以外にも学べるものがあります。
単元株が学べる
さらにカブ取引のカブは、10カブから購入ができます。1カブだけ欲しい、とはできないのです。これは株式取引でいう「単元株」を意味します。通常、ヤフーなどの画面の金額は1株の値段なので、実際買う時は100株単位になります。株初心者によくある勘違いですね。○円×100(株)が実際の必要な金額になります。また、売る時もこの単元株で売る事になるので計算は要注意です。単位は違えど株式取引の初歩が学べます。
また、カブを売る時に注意しないといけないのが、いくらで買ったのか?です。買った値段を覚えていないと、いくら儲かったのかわからなくなってしまいます。きちんと覚えておきましょう。実際の株式取引では、その証券会社の画面で確認すれば、今どれくらい儲かっているか、損しているかが一目でわかるようになっています。自分が今、どんな状態であるのか確認することはとても大切なことです。
損切りが学べる
あつ森では、カブは一週間で腐ってしまいます。腐ってしまうと、もう売れないので大損です。1週間以内に損していても売ってしまった方が、損もおさえられるのです。これは株式取引でいう「損切り」です。買った値段そのものがなくなるより、少しでも戻ってくるほうがいいですよね?その損切りを学ぶ事ができます。
どれも現実世界ではないからこそ、自分の手持ちのお金を使わずに体験できるからこそ、楽しく学べるものであると思います。
ゲームでもお金を稼ぐことは大変
では、あつ森ではどうやってお金を手に入れるのでしょうか?それは、雑草や木の枝などを拾って、売ったりします。そのほか、拾った材料で家具などを作って売ります。こうやってあつ森の世界のお金を稼いでいきます。「なんだ!拾えるのか!簡単じゃないか!」と思った人。大間違いです。地味にこの作業が面倒なのです。島の中を行ったり来たりと、地味に拾う作業の繰り返しです。1日にして住宅ローンの返済する金額はまず拾えません。そのため、カブ取引などを利用して早くローン返済できる機能がこのゲームにはついているのですね。
現実世界を簡略化した世界観なので子供にも有効
HPを見たことのある人はご存じかと思いますが、とても可愛い動物たちが出てきます。そして、基本ひらがなで文字が出て、短い文での会話になります。そのせいか、カブ取引も住宅ローンの説明もとてもわかりやすく説明してくれます。可愛い動物が出てくる時点で子供は喜ぶことでしょう。実際、このゲームをしている子供はいつ返済しようか、どれくらいカブを買おうか?を真剣に考えます。大人になるまでに基本的な仕組みなどは理解できるかもしれませんね。
また、この機体であるニンテンドースイッチ。英語など他の言語にも対応しています。日本語でゲームをするのではなく、英語設定にすれば、英語も学ぶことができます。お金だけでなく、外国語も学べるのであれば、一度大人でも試してみたいですね。
お金の話をすると難しく感じますが、流行のゲームを通して学ぶことで身近に感じます。このゲームだけに限らず、楽しく学べる方法を見つけてみることも楽しいですよ。
(※本ページに記載されている情報は2020年6月18日時点のものです)