何かしらのトラブルが起きたとき、損害保険は、お金だけでなく精神的、時間的な面での大きな助けになります。
トラブルの起こり方はさまざまで、速やかに解決するケースもあれば、トラブルの相手側との複雑な交渉が必要になってしまうケースもあります。
慣れない雑事で神経をすり減らすリスクを考え、示談交渉を保険会社に任せたいと思う人も多いでしょう。
損害保険の示談交渉サービスについてご紹介します。
いざというときに安心!
損害保険の示談交渉サービスとは
2019年3月12日
損害賠償問題につきものの示談交渉
保険会社が何とかしてくれる?
あなたは、自分が加入している保険の内容についてどのくらい理解していますか。もしものときに備えて加入しているのだし、何かが起きたら保険会社が何とかしてくれるだろうと何となく思っているだけというケースもあるでしょう。
さて、ここで気になるのが、いざトラブルが起きてしまったときに保険会社に全ての処理をお任せできるのかという問題。病気やケガなどで医療保険を利用するときは、保険会社との間で必要書類のやりとりなどをすれば保険金を給付してもらえますよね。比較的スムーズに処理が済むというイメージです。
示談交渉サービスとは
しかし、他人に何らかの損害賠償が必要となるトラブルが起きたときには、保険会社だけでなくトラブルの相手方とのやりとりも必要となります。
【相手方が存在するトラブルの例】
・自動車の運転中に他人との事故が起きてしまった
・自転車に乗っているときに他人との事故が起きてしまった
・賃貸マンションで水漏れを起こしてしまい損害の加害者になってしまった
・ペットが他人に噛みつき、あるいは急な飛び出しをして他人に損害を与えてしまった
損害賠償問題を話し合いなどで解決することを示談といい、そのような解決を保険会社が行うサービスを示談交渉サービスといいます。
示談交渉サービスの有無を確認しておこう
スムーズにいかない場合も
トラブルが起こった後の示談交渉がスムーズにいくのであれば、自分で示談交渉を行うことにあまり負担を感じずに済むかもしれません。しかし、お金の絡む問題でもあるため、スムーズにいかない場合も起こり得るのが現実です。
例えば、トラブルが起きたときの事実認識がお互いに異なっていたり、損害額について折り合いがつかなかったりといった場合です。このような状況における当事者同士のやりとりには、精神的にも時間的にも大きな負担が生じてしまいます。
一度決まったら変更はできない
示談交渉は、被害者側になったとしても加害者側になったとしても慎重に行うべきとされています。特別な事情のある場合でない限り、一度成立すると後から示談の内容を変更できないためです。
自身が加入している保険に示談交渉サービスがついているかどうかは大切な問題であり、保険選びのときにも、しっかりチェックしておきたいポイントの一つなのです。
示談交渉サービスを使えるときと使えないとき
付帯されているケースが多い示談交渉サービス
自動車保険、自転車保険、損害賠償責任保険などを選ぶときの重要なポイントとなる示談交渉サービスの有無。自動車保険においては、代理店型かダイレクト型かに関係なく示談交渉サービスがついているケースがほとんどです。
しかし、どの保険にも必ずつくと決まっているわけではないため、念のためにチェックしておきましょう。自転車保険や損害賠償責任保険についても、「示談交渉サービスつき」となっているかどうかをチェックしておくと安心です。
被害者となったときは?
なお、示談交渉サービスの利用には重要な注意点があります。自分に全く過失のないトラブル、いわゆる「もらい事故」などで被害者となった場合には自身が加入している保険の示談交渉サービスを使えません。相談にのってもらうくらいは対応してもらえたとしても、示談交渉自体をお任せできないということです。
100パーセント相手に過失のあるトラブルの被害者となったときの示談交渉に備えるためには、「弁護士費用等補償特約」(弁護士費用特約など保険会社によって名称は変わる)が役立ちます。弁護士費用のほか、訴訟費用などもカバーしてもらえる特約です。保険に自動付帯されている場合もあれば、オプションとなっている場合もあります。
自治体などの相談窓口も利用できる
また、自治体(都道府県や市町村)にも交通事故相談などの無料相談窓口が設置されており、治療費を払ってもらえない、示談の方法がわからないなどの理由で困ったときに利用できます。
ただし、平日の9時から17時までなど、限られた時間での利用となることが一般的です。利用時間に注意して活用しましょう。
突然起こってしまう、もしものトラブルは誰にいつ起きてもおかしくないもの。トラブルを解決するために他人と話し合いを重ねることには不安を覚えるものであり、お金も絡む内容であればなおさらですよね。自身の加入している保険に示談交渉サービスがついているか、そして、もらい事故の被害者になった場合の特約がついているかどうかについて確認し、日々の安心感に役立ててみてはいかがでしょうか。