シェアリングエコノミーという言葉、最近よく聞くませんか? 物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組みのことを言います。カーシェアや民泊などはだいぶ一般的になってきました。最近では、洋服を買わずにレンタルする「ファッションレンタル」といったサービスも登場しています。今後こうしたシェアリングエコノミーによって我々のライフスタイルはどう変わっていくのでしょうか。
ものを所有するのはもう古い?
シェアリングエコノミーでお金の使い方が変わる
2019年2月18日
主なシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
個人の物、空間、スキルなどをインターネットのマッチングプラットフォームを介して、他者に提供することで、提供者、利用者ともにメリットを得ることができるサービスの市場が年々拡大しています。
以下に資産別の代表的なシェアリングエコノミーサービスをご紹介します。
民泊は2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるなど、東京オリンピックの開催もあり、政府も後押しをしています。
一方で、配車サービスの「Uber」は世界的な広がりを見せている中、日本では白タク行為に当たるとしてサービス中止に追い込まれました。仮に、認可されたとしても専用アプリを使っての操作がタクシーをよく利用する年配者にとっては壁になると懸念する向きもあります。
ものの貸し借りや売買に関しては、すでに大きな市場となっています。ヤフオクやメルカリが有名ですが、次々と新しいサービスが登場しています。またそのサービスを使って収入を得る人なども出てきて、年々広がりを見せています。
クラウドソーシング、クラウドファンディングについては、大きな組織に所属しなくとも、個人で働き方や生き方が選べるなど、ワークスタイルの変化を生んでいます。
注目のシェアリングエコノミーサービス
若い人の中には、ものを所有することに価値を置かず、必要になったら買って、不要になったらすぐに売るという行為を繰り返して生活をしている人がいます。今はフリマアプリを使って簡単に売買ができるので、こうしたことが可能となっています。
さらに進むと、洋服は買うものではなく、借りるものとして「ファッションレンタル」サービスが注目を集めています。
他にも「こんなサービスが!?」といった注目のサービスをご紹介します。
ファッションレンタル
『airCloset(エアークローゼット)』
会員数20万人以上の日本最大級のファッションレンタルサービスです。月額料金を払えば300以上のブランドの中から好きな服を借り放題というもの。服のコーディネートはプロのスタイリストさんが好みに合わせて提案してくれるサービスもあるので、気軽にお洒落を楽しめます。また、着た服は洗わずに返却できるというのもポイントです。
[月額料金]
¥6,800/月コース…月1回(3着)
¥9,800/月コース…借り放題
家電レンタル・家具レンタル
『かして!どっとこむ』
単身赴任や転勤などで一時的に住む場合や、学生の一人暮らしなど、買うほどではない場合に、家具や家電のレンタルがあると助かります。
「かして!どっとこむ」は生活スタイルにあったアイテムを豊富に揃えており、リーズナブルな価格で借りることができます。レンタル期間中の(日常的使用での)故障の修理、交換は無料となっています。新品or中古が選べます。1品30日からレンタルが可能です。
お迎えサービス
『お迎えシスター』
幼稚園や小学校などの子どものお迎えを父母に代わって代行するサービスですが、それだけではなく、帰国子女や留学生などのバイリンガルの方が、一緒に帰宅したあとに英語のレッスンまでしてくれるサービスです。
LINEを使っての都度の報告があり、英語のレッスンのあとにはその様子を撮影した動画レポートも送ってくれます。
ものを持たない暮らし
“ミニマリスト”という言葉に象徴されるように、必要最低限のもので心豊かに暮らす生活を目指す人が増えているようです。あるいは、ものより経験にお金を使うという価値観が支持されているとも言えます。
インターネットで世界中の人と瞬時につながることが可能となったことで、今まで見えていなかったものが見え、そこに価値を見出すことができるようになりました。空き時間や、空きスペース、使っていないものなどを他者に提供して収入を得たり、一方ではそういったものをすぐに調達できるようになったことで、時間を節約できたり、ものを所有する必要がなくなりました。
こうしたことが、お金の使い方にも変化をもたらしています。
まず、ローンを組んで、高額のものを買うという価値観が薄れてきます。また「ものを買う」という行為も変わってきます。誰かとシェアするために買う、不要になったら売ると考えたら、自分の好みは二の次で、高く売れそうなもの、万人受けするものを選ぶようになります。
また、ものを持たないことの身軽さも魅力です。クローゼットいっぱいの服がなくなれば、衣替えやクリーニングの手間、引っ越しも楽になります。季節家電は買わずにレンタルで済ませば、季節が変わる度に出したりしまったりすることもなくスペースも確保できます。
ものを持たないことは、必ずしも質素で地味になるわけではありません。値の張るものは一つしか持てませんが、シェアをすれば、いろいろなものをたくさん持つことができます。
ファッションレンタルを利用すれば、流行りの服を好きなだけ着ることができます。
月額料金を考えると毎月利用は無理でも、たとえば、婚活をしている女性なら、気合を入れる月だけ利用するという手もありますね。
シェアリングエコノミーによって、たくさんの選択肢を得ることができるのは、新しい豊かさと言えるかもしれません。今後どんなサービスが登場するのか要注目です。