普段は忙しくてなかなかご両親と話す時間がない人も、1人暮らしの人も、年末年始は家族でゆっくり過ごしたいですね。
家族が集まる年末年始だからこそ、みんなでお金の話をするチャンスです。イザという時に慌てないために、話しておきたいポイントをお伝えします。
年末年始だからこそ
親と話しておきたいお金のこと
2018年12月15日
まずはキッカケづくりから
いくら仲良しの親子でも、やはりお金の話はしづらいもの。いきなり「相続対策はどうしたらいい?」などと聞かれても、親御さんもビックリするでしょう。
親とお金の話をするためのキッカケとして、友人などの例を挙げてみてはいかがでしょうか。
例えば、
「この前、会社の同僚のお母さんが急に倒れられて・・・。どこに何があるかわからなくて大変だったみたい。」
「まだまだ若いと思っていたけれど、何があるかわからない、と言っていたよ。」
など、何気ない会話から始めてみると、親御さんも自然に自分自身の話として考えようと思うのではないでしょうか。
聞いておきたいポイント
親にはいつまでも元気でいてほしいですが、年齢を重ねるにつれて、病気やケガで入院をする可能性が高くなっていきます。入院や介護が必要になった時に、やはり直面するのがお金の問題。親が元気な間に聞いておきたいポイントは2つです。
入院した時は?
保険証や印鑑、通帳がどこにあるかを聞いておくと、急な入院でも慌てずにすみます。
また、親が加入している医療保険についても確認しておくといいですね。どのような保険に加入しているか、どのような特約があるのか、保険料はいくら支払っているのかなど、この機会に一緒に確認しておきましょう。
違う保険会社で同じような保険に加入していたり、死亡保障の金額が、皆さんが学生の時のままの金額であったりした場合は、ムダな保険料を払わずに済むよう見直すことも大切です。
子供に迷惑をかけたくない、という気持ちで多額の医療保険をかけている場合がありますが、 高齢者の医療費は「高齢者医療制度」があり、70歳~74歳で一般的な収入の人の場合、自己負担は2割で、1カ月の上限は57,600円です。 貯蓄があれば、必要以上に医療保険をかけなくても済みます。そのような話の流れから、親がどのくらい貯蓄があるのかも聞くことができますね。
介護が必要になったら?
聞いておきたいポイントの2点目は、親が介護状態になった時のことです。
子供としては、親に出来るだけのことをしてあげたい気持ちがあっても、守らなければならない自分自身の生活があります。また、子供がしてあげたい介護が、親の望んでいる介護と違う場合があります。
最初に確認しておきたいことは、自宅介護を望んでいるのか介護施設に入ることを望んでいるのかということです。
自宅介護を望んでいるのであれば、家をリフォームする必要があるか、その場合、その資金は準備してあるのかなども確認しておきましょう。
平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」によると、1カ月あたりの平均介護費用は7.8万円、介護を始めてからの期間は平均4年7カ月となっています。要介護度や施設によって金額は変わりますが、いずれにしてもまとまった資金を準備しておく必要があります。
先ほど、医療保険を一緒に見直すことをおススメしましたが、民間の介護保険に入っているかどうか、入っている場合はどのくらいの保障なのかも確認しておいてくださいね。
介護はまだまだ先のこと、と後回しにせずに、親と意思疎通ができるうちにしっかり考えておくようにしましょう。
想いはエンディングノートに
エンディングノートとは、将来自分に万が一のことが起こった場合、家族や大切な人に伝えたいことを記入しておくノートのことをいいます。
以前は「遺書」と勘違いして「縁起が悪い」などと思う人もいたでしょう。しかし、最近では「終活」という言葉も使われるようになり、気軽に書くことができるノートもたくさん売られています。
先ほど、親に聞いておきたいポイントでもお伝えしましたが、通帳や印鑑がしまってある場所や、どこの銀行にいくら預けているか、どのような保険に入っているかということも、このノートに書いておいてもらうとわかりやすいですね。
ただし、エンディングノートには法的効力はありません。 ノートに記入しながら相続対策が必要だと思ったら、遺言書を書いておくことも提案してみてください。
エンディングノートは、高齢の方だけではなく若い人にもおススメです。親御さんと一緒に、皆さんも1年間頑張って来た自分の記録として、貯蓄の額や将来の夢などを書いてみるといいでしょう。毎年、年末年始に家族揃って書くことを習慣にしておくと、貯蓄の増減が確認できたり、親も1年前とは伝えたい想いが変わっていることに気が付いたりすることでしょう。
年末年始は、1年間無事に過ごせたことに感謝し、また新しい1年を元気で過ごすために思いを新たにする大切な時間です。ぜひ今年の年末年始から、家族揃って気軽にお金の話をしてみてくださいね。