クレジットカード入会時に記入する申込書の「クレジット債務の年間予定利用額はいくらですか?」との質問を見て「何を記入する欄なの?」と困ったことはないですか。人によりクレジット債務の年間利用額に記入した金額が入会審査に大きな影響を及ぼす場合があります。クレジット債務の意味と記入方法、審査に及ぼす影響をお伝えします。
クレカ申込書のクレジット債務とは?
審査に与える影響と記入方法
2019年10月17日
クレジット債務とは?どんな支払い方法が該当するの?
クレジット債務とは、物やサービスを分割払いで買ったときの未払い分の残高のこと。たとえば、30万円のバックをクレジットカードの10回払いで買い物して、6回分まで支払い済みだったとします。30万円の10回分割払いだと、毎月カード会社に返済する金額は3万円。18万円は支払い済みで、分割払いの残りの残高は12万円です。未払い分の12万円がクレジット債務と考えてください。
クレジット債務となる分割払い
クレジットカード債務は、支払い方法を分割払いにしたものがすべて該当します。
・2回払い
・分割払い
・ボーナス払い
・リボルビング払い
・フレックス払い
一括払いとボーナス一括払いは一回の支払いで買い物が終わるため、分割払いとちがい残高が発生しません。そのため、クレジット債務ではありません。
クレジットカードを使った買い物でなくても、次の分割払いはクレジット債務に該当するケースが多いです。
・スマートフォンやタブレット端末の分割払い
・スクールの学費
・エステの分割払い
クレジット債務でない分割払い
クレジット債務はすべての分割払いが対象となるわけではありません。次の分割払いはクレジット債務の対象外です。
・住宅ローン
・オートローン
・教育ローン
・ブライダルローン
・多目的ローン
・カードローン
・クレジットカードのキャッシングなど
クレジットカードの利用でも、キャッシングは割賦販売法ではなく貸金業法が適用されるため、クレジット債務ではありません。同じ理由で銀行や消費者金融など金融機関で契約を結ぶローンも、毎月分割払いで返済金を支払いますが、クレジット債務にはなりません。ちょっとややこしいのですが、クレジット債務は、割賦販売法が適用される分割払いのみと覚えておいてください。
カード会社は年間予定利用額を知りたいのはなぜ?
カード会社が、入会申込書で「クレジット債務の年間予定額はいくらですか?」と質問する理由は、入会予定者の返済能力を確認するためです。クレジットカードの支払いは、買い物したときの購入代金を利用者に代わって、一時的にカード会社が立て替えているだけのこと。つまり、分割払いは買い物したときに決めた支払い回数で、カード会社に「元金+利息」を毎月返済しているのです。
利用者が毎月決まった額のお金を返済してくれないと、カード会社は赤字になります。カード会社は赤字を防ぐため、入会前に確実に借金を返してくれる人に会員になってもらわないと困るのです。ちゃんと借りたお金を返してくれる人か、カード会社が知るために入会申込書に「クレジット債務の年間予定利用額」の記入欄があると覚えておきましょう。
クレジット債務の年間予定利用額はどう記入すべき?
最後に入会申込書のクレジット債務の年間予定利用額の記入方法をお伝えします。クレジットカードの入会を検討している人は、要チェックですよ。
クレジットカードの利用が初めて
クレジットカードの利用が初めて、またはクレジットカードで分割払いで買い物をする予定のない人は、年間予定利用額は0円と記入します。「今のところ分割払い使わないけど、今後支払いに困ったときは分割払いにするかも?」という人も0円で構いません。
入会予定のクレジットカードで分割払いをしたい
入会予定のクレジットカードで1年以内に分割払いを使う予定のある人は、買いたい商品やサービスの代金を書きましょう。たとえば、クレジットカードで20万円の腕時計を分割払いで買う予定があったとします。その場合は、クレジット債務の年間予定利用額は20万円と書いてください。
1年以内にクレジットカードの分割払いで買い物するつもりだけど、何を買うかまだ考え中の人もいますよね。その場合は、分割払いで買う予定の商品やサービスのだいたいの購入金額を書けば大丈夫ですよ。
他社のクレジットカードで分割払いの支払い途中
すでに他社のクレジットカードで分割払いの支払いが終わっていない人は、未払い分の残高をすべて正確な金額で記入しましょう。たとえば、A社のクレジットカードに申し込む時点で、次の2社の分割払いが終わっていない人がいたとします。
・B社:5回払いで買った15万円のパソコンの残高は2回
・C社:10回払いで買った10万円のエステの残高は3回
その場合、分割払いの残高の合計は、B社6万円+C社3万円=9万円。A社のクレジットカードで分割払いを使う予定がない場合は、クレジット債務の年間予定利用額は9万円と記入してください。
新しく作るA社のクレジットカードでも分割払いを使いたい人は「今後1年間のA社の分割払いの利用予定額+今ある分割払いの残高」を記入します。A社のクレジットカードで5万円のアクセサリーを分割払いで買うつもりならは、「5万円+9万円」で14万円と書かなければなりません。
「支払いが終わってない分割払いが多いので審査に落ちそう。少ない金額で書きたい」と思う人もなかにはいますよね。クレジットカードの申し込み状況やカード利用残高は「CIC(信用情報機関)に登録されているので、隠してもクレジットカード会社にばれてしまいます。
ウソの金額を書くと悪質な虚偽の申告と思われてしまい、審査に落ちる可能性が高いでしょう。分割払いの残高が多くても、クレジット債務の年間予定利用額は正直に記入してください。
クレジット債務の意味とクレジット債務に分類される支払い方法、審査への影響と申込書の記入方法を解説しました。近々クレジットカードを作る予定がある人は、この記事を参考にして記入してみてくださいね。
(※本ページに記載されている情報は2019年10月17日時点のものです)