あなたの会社は大丈夫？
退職金をもらえる人ともらえない人の違い

今の会社を辞めたいけど、すぐに仕事が見つかるか不安・・・そんな時に、金銭面で頼りになるのが退職金でしょう。しかし、退職金は誰でもを受け取れるものではありません。条件付きで支給されるケースや、そもそも支給されないケースもあるのです。そこで今回は、退職金をもらえる人と、もらえない人の違いについて説明します。

今の退職金事情は？実は貰えない人も！

そもそも退職金とは？

退職金とは、雇用関係が終了して従業員が企業を離れる時に、雇い主などから支払われる手当のことです。退職金の相場は、退職の理由・勤続年数・会社の規模などにより異なります。相場の詳細についてはこちらの記事で説明しているので、興味がある人は読んでみてくださいね。

条件付きで支給されるケースが多い

また、退職金の支給について「勤続年数〇年以上」という条件が付いている会社も多く、1～2年間その会社で働いただけでは、退職金をもらえないというケースも少なくありません。

東京都産業労働局が2016年に公開した「中小企業の賃金・退職金事情調査」というデータによると、自己都合で退職した人が退職一時金を受け取るためには、最低でも3年以上の勤務を条件とする会社が半数以上ありました。

参考：東京都産業労働局　モデル退職金

中には退職金制度が無い会社も

会社を退職した後、退職金をもらえるのが当然だと思っていませんか？「長年勤務したのだから、しばらくの間は仕事をしなくても生活できるだけの金額をもらえるはず」という期待を持っている人もいるのではないでしょうか。しかし、残念なことに、退職金制度がない会社もあるのです。

3割の会社に退職金制度がない？

東京都産業労働局の労働相談情報センターが平成28年12月に公開した調査結果「中小企業の賃金・退職金事情」（従業員10人～300人未満の都内の中小企業が対象）によると、29.5％の会社には退職金制度が無かったそうです。

【退職金の有無について】
・退職金制度あり：69.8％
・退職金制度なし：29.5％

退職金制度があるのは、全体の約7割。3割の会社では退職金がありません。言い換えると、10人中3人は退職金を受け取れないという事ですね。

多くは一時金のみ支給

また、退職金制度がある会社のうち、約70%は一時金しか支給していませんでした。

・退職一時金のみ：70.4％
・退職一時金と退職年金を併用：25.9％

退職金をもらえる人ともらえない人の違い

退職金は、誰でも支払われるものではありません。では、どんな人が退職金をもらえるのでしょうか？次は、退職金をもらうための条件について、簡単にまとめました。「私は、本当に退職金がもらえるの？」と不安な人は、一緒に確認していきましょう。

退職金が支払われない理由

労働基準法では、退職金についての明記がありません。法的な根拠がないので、そもそも会社側が支払う義務がないのです。そのため、退職金を従業員に支払うかどうかは、会社の自由になっています。

では、退職金がもらえる会社ともらえない会社を見極めるには、どうやって確認すればいいのでしょうか？次の項目では、退職金が出る会社の条件について見ていきましょう。

退職金が出る会社の見分け方

退職金制度がある会社の場合、雇用契約書や就業規則などに、その旨が記載されています。記載されていなければ、その会社には退職金制度がないと考えてください。

「長年勤めた会社なのに、退職金を1円ももらえなかった！」という状況になったとしても違法ではありませんし、会社の規定にない限り、基本的には支払ってもらえません。ちょっと意外ですよね？

絶対に退職金をもらいたい人は、入社する前に雇用契約書などをしっかり確認した方が良いでしょう。通常、規定には退職金の計算方法なども明示されているので、あなたが会社を辞めた時にいくらもらえるのか、事前に確認することもできます。

また、会社の規定に「退職金制度がある」と明記されている場合は、きちんと支払われなかった時に従業員が請求することができます。

退職金がない会社の人は

ただし、会社の規定に退職金制度についての記載がなくても、例外的にもらえるケースがあります。勤め先で退職金が出るのが慣例になっている場合は、今までの退職者と同じように、あなたも受け取れる可能性があるのです。

あなたの勤め先で、過去に同じくらいの勤続年数で退職した人がいるなら、退職する時にいくらもらえたのか確認してみても良いでしょう。

ただし、これはあくまで例外的なケースです。基本的には、退職金をもらえるのは雇用契約書や就業規則に明記されている場合のみだと覚えておいてください。

退職金は、誰でももらえるワケではありません。事前に雇用契約書や就業規則に目を通し、退職金をもらえるかどうか確認しておきましょう。自己都合による退職だと「退職金をもらうのは気が引ける・・・」と 遠慮してしまう人もいますが、条件を満たしているなら、ちゃんと退職金を受け取ることができます。

これから退職を考えている人は、退職金をいくらもらえるのか、そしていつ頃支払われるのか、そもそも退職金を受け取るための条件をクリアしているのかなど、詳細を事前に確認することをおすすめします。