実家に住んでいる両親が亡くなった、相続したけれど持ち家があるなどの理由から、実家が空き家になるケースは少なくありません。実家が空き家になってしまった時に何の対処も行わないとトラブルに発展する場合があります。こうした事態を避けるために、この記事では、実家が空き家になった場合の具体的な対処方法、放置した場合のリスクについてお伝えしていきます。
実家が空き家になった場合の対処方法とは?
放置した場合のリスクについても解説
2020年2月5日
実家が空き家になった場合の対処方法
実家に住んでいる両親が亡くなるなど実家が突然空き家になることがあります。どのように対処すればよいのでしょうか?
実家が空き家になってしまった場合の対処方法は以下のようなものがあります。
・家族が維持管理を行う
・管理会社への委託
・賃貸物件として貸し出す
・売却する
家族による維持管理
家族が維持管理をしていく場合には、そのまま空き家を放置するのではなく、最低でも月に一度は実家の喚起や掃除を行いましょう。また、家の外にある郵便ポストの中身の取り出しや雑草の管理が必要です。
家族で維持管理を行うことによって費用をかけなくても実家を維持できます。その一方で、実家の維持管理を行う際には掃除や雑草の管理といった手間がかかります。
管理会社への委託
家族で管理していくことが難しいと感じるのであれば、管理会社に委託することも可能です。委託する範囲により費用は異なるものの、相場としては月額5,000円~10,000円程度の費用が発生することになります。
外部巡回をはじめ治安や郵便ポストの確認、家の中の掃除や通水を行ってくれるので、必要な範囲を管理会社へ委託できます。管理会社に委託することで、実家から遠い場所に住んでいた場合でも管理を行うことが可能です。
しかし、月額で費用が発生するため、その費用を継続して負担していくことになります。
賃貸物件として貸し出す
実家を売却したくない場合や有効活用したいと考えるのであれば、実家を空き家として管理するのではなく賃貸物件として貸し出す方法があります。賃貸として貸し出すことで賃料を得られるため、将来的な取り壊し費用、固定資産税の支払いに活用できます。
実家を管理するだけでは利益を生むことはありません。しかし、賃貸物件として第三者に貸し出すことで、資産を活用し利益が生まれます。
賃貸物件として貸し出す際に家が劣化している場合、借り手が見つかりにくいのでリフォームやリノベーションの工事が必要になる場合もあります。
空き家を売却する
交通の便や立地のよい物件であれば売却しやすいため、空き家対策としては有効な手段です。家の状態が良好であれば、家を取り壊さずに売却することもできます。
親を老人ホームなどに入居させる場合は、その売却資金を利用できます。また、家を売却し現金化することで平等に財産を分配できるため相続に絡むトラブルを防止することも可能です。
しかし、売却すれば実家がなくなり、売却した価格によっては手元にお金が残らないことは把握しておきましょう。
空き家を放置するリスク
総務省が公表している平成30年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家総数は846万戸に及んでいます。こうした状況の中、適正な管理や対応が行われていない放置されている空き家が増加傾向です。
実家が空き家になった際に放置すると以下のようなリスクがあります。
・犯罪のリスク
・近隣トラブル
・老朽化
犯罪が起きるリスク
空き家になってから放置していると庭の手入れも行われず、ポストには郵便物が溜まるなど空き家であることが誰からもわかる状態です。こうした空き家は人の出入りがないため、不法侵入、不法投棄や放火などの犯罪を生む原因です。
仮に実家の空き家が放火され、周囲の家屋に延焼すると所有者が延焼の原因を作ったとして損害賠償を請求される事態が起こる可能性もあります。
実家が空き家になってから放置することで、このような犯罪に巻き込まれるリスクがあることは知っておきましょう。
近隣トラブル
空き家の管理が行われていない場合、ゴミが不法投棄されることがあり、こうしたゴミが腐ると悪臭だけでなく、虫が発生するなど近隣の住民に悪影響を与えます。
そのため、近隣の住民から行政に対して苦情がいくことになり、所有者が行政指導を受ける可能性があるなど近隣住民とのトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
倒壊のリスク
屋根や外壁の建材が傷んでもそのままの状態で放置されるため、老朽化が進行します。また、土台の腐食が進むと建物が倒壊する危険性が高まり、実際に地震や台風などの自然災害により空き家が倒壊した事例もあります。
倒壊が起きた場合、隣の住宅など周囲の建物を損傷させたり、通行中の人を負傷させてしまう危険性は低くありません。
このような事態が発生した場合、所有者の管理上の過失の有無に関係なく、損害賠償責任を負うことになります。
適切な管理や対処を行いリスクを低くする
実家が空き家になった場合、維持管理を行ったり、賃貸物件として貸し出したり、または売却するなどの対処方法があります。こうした対応を行う場合は費用や手間がかかることになります。
しかし、対応を行わずに放置しているとさまざまなリスクがあるため、放置するのは避けてください。
もし、対処方法を検討しても決められない場合は専門家や自治体などに相談して、実家の空き家対策を行いましょう。
(※本ページに記載されている情報は2020年2月5日時点のものです)