年末近くになると勤務先の会社から源泉徴収票が渡されます。毎年もらっているけれど、特に気にしたことがないという人は、この機会に、記載されている数字が何を表しているのかしっかり理解できるようになっておきましょう。将来副業を始めて、確定申告をするようになった時に、源泉徴収票の見方がわかればスムーズですよ。
源泉徴収票ってどう見るの?
源泉徴収票の見方をわかりやすく解説します!
2018年12月3日
源泉徴収票の見方
会社勤めの方は、毎年12月~1月の間に源泉徴収票をもらいます。平成30年から、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しによって、一部項目名が変更されていますが、その他の様式の変更はありません。
さっそく、順を追って見てみましょう。
①支払金額
一年間の給与と賞与の合計額です。いわゆる年収にあたるものです。
②給与所得控除後の金額
サラリーマンの必要経費とされる、収入金額に応じて算出された「給与所得控除額」を支払金額から引いた金額が記載されます。
「支払金額」-「給与所得控除額」=「給与所得控除後の金額」
出典:給与所得控除|所得税|国税庁
所得控除について
③所得控除の額の合計額
下の欄のA、B(ピンクと水色の部分)は所得控除の内訳になっています。
Aの部分
Aの部分は家族に関する所得控除が記載されており、配偶者の有無、扶養親族の人数などがわかるようになっています。
この例では、控除の対象となる配偶者とその他にあたる16歳以上の扶養親族が1人、16歳未満の扶養親族が1人いることがわかります。
<扶養控除額の金額>
出典:扶養控除|国税庁
※1 16歳以上の扶養親族。
※2 19歳以上23歳未満の扶養親族
※3 70歳以上の扶養親族
※4 納税者又はその配偶者の直系の尊属(父母・祖父母など)で、普段同居している扶養親族
つまり、家族に関する所得控除としては、配偶者控除の38万円と一般の控除対象扶養親族の38万円で合計76万円が控除されます。(16歳未満の扶養親族は児童手当の対象となるため所得控除の対象外となります)
Bの部分
Bの部分は保険料控除に関する記載があるエリアです。
(摘要)より下の部分は保険料の内訳が記載されています。
社会保険料等の金額は、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「介護保険料等」の合計金額が記載されています。
保険料の所得控除としては
「社会保険料等の金額992,454円」+「生命保険料の控除額115,000円」+「地震保険料の控除額44,800円」で合計1,152,254円となります。
総括すると、保険料の所得控除1,152,254円+家族に関する所得控除の76万円+基礎控除38万円を合計すると2,292,254円となり、所得控除の額の合計額となるわけです。
住宅ローン控除は最後に
Cの緑の部分が住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)に関するエリアとなります。
この金額は所得から引く控除ではなく、最終的に出された所得税額から引く金額となります。
そのため、まずは所得税額を計算します。
②給与所得控除後の金額-③所得控除の額の合計額=課税給与所得
4,951,500円-2.292,254円=2,659,246円
課税給与所得は2,659,000円(千円未満切捨て)となりました。
ここに税率をかけます。
出典:所得税の税率|所得税|国税庁
2,659,000円×10%-97,500円=168,400円となりました。
この所得税額から住宅ローン控除額を引きます。
168,400円-140,000=28,400円
この金額が源泉徴収税額となるはずですが、④の数字と違います。
④源泉徴収税額
平成25年から平成49年(2037年)までは、所得税と復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を併せて納付することとなっています。
28,400円×2.1%=596.4円
100円未満は切捨てとなるので、500円を加えた金額28,900円が最終的な源泉徴収税額となります。
まとめ
①~④までの数字の関係をまとめると次のようになります。
①支払金額-(給与所得控除)=②給与所得控除後の金額
②給与所得控除後の金額-③所得控除の額の合計額=(課税所得)
(課税所得)×(所得税率)=④源泉徴収税額
そして、③の所得控除の額の合計額を求めるために、その下のさまざまな控除の内訳が記載されているわけです。
ちなみに手取りは以下の式で求めることができます。
支払金額-源泉徴収税額-社会保険料等の金額=手取り
この源泉徴収票で計算すると
6,835,000円-28,900円-992,454円=5,813,646円が手取りとなります。
いかがでしたか?
源泉徴収票をざっと眺めるだけではわからなかった部分が見えてきたでしょうか。
ぜひ、ご自身の源泉徴収票を確認してみてくださいね。