働きざかりの今でもどうしても気になってしまうのが年金問題。私たちが老後を迎える頃には「年金生活」という言葉が死語になっているかもしれません。しかし、「お金の教養」を身につけると、「死ぬまでもらえる」終身年金である公的年金には、いつかは底をついてしまうかもしれない貯金にはない安心感があることも分かってきます。知っているようで知らない公的年金の仕組みについて学んでみましょう。
未来の安心に繋がる
年金のメリットって一体なに?
2016年1月29日
会社員以外は国民年金基金や確定拠出年金で備えて
公的年金は国が運営する制度で、20歳以上の全国民に加入が義務付けられています。原則として20歳から60歳までの40年間、年金保険料を納め続けることが必須条件。働き方によって種類が異なり、保険者を第1~3号被保険者という呼びます。
日本の公的年金制度は分かりやすくいうと3階建てになっています。基本となる1階部分がすべての人に共通の国民年金(老齢基礎年金)。詳しくは「計算方法も徹底解説! 国民年金と厚生年金の違いってなに?」をチェックしてみてくださいね。
自営業やフリーランスなどの個人事業主、学生などは基本的にこの部分にのみ加入します。
ただし、国民年金だけでは将来受け取れる額が少なく、生活を維持できるほどの収入にはならないので、補う手段として希望すれば公的年金のひとつである国民年金基金や、個人型確定拠出年金などに加入できます。
会社と折半できるオトクな厚生年金
会社員や公務員には国民年金に上乗せされる2階部分として、厚生年金が用意されています。保険料は会社と折半になり、毎月給与から天引きされます。
「手取りが少なくなるし、将来いくらもらえるかわからないから、保険料を払うのをやめたい」なんていう声をたまに聞きますが、この制度は実は恵まれたもの。
なぜなら、自営業やフリーランスの人たちにはない部分ですし、なんといっても会社が半分負担してくれる保険料で、将来のために貯められるからです。
いざというときを保障してくれる障害年金や遺族年金
公的年金制度は将来どうなるのか…。不明瞭な点もあることは事実。けれど、障害を負ったときの障害年金や大黒柱を亡くしたときの遺族年金があることなど、国の根幹をなす社会保障制度であるがゆえのメリットもたくさんあります。
老後の生活はもちろん、いざというときの最低限の生活を守るためにも、年金保険料はやはりきちんと支払っておくべきでしょう。
まずは受給額を確認することから始めよう
まずは今、自分が第何号でどんな種類の年金に加入しているのか、保険料は毎月いくら支払っているのか、基本的なことを再確認しておきましょう。
こうした情報から発展させ、公的年金だけでは足りない不足資金について考え老後の貯金計画を立てることが重要です。
ちなみに、公的年金を受け取るためには、最低でも10年間の加入期間が必須。
「年金未納期間が多くて想像以上に年金が少ない!」…なんてショックがないよう、自分がいまどれくらい支払っているかなど、しっかり確認してみてくださいね。
年金未納だとどうなる?
仮に年金が未納の場合、「催促状」がやってきます。催告状には未払い金額が表記してあり、その金額を収める方法などが書いてあります。それらを無視し続けると次からは法的な措置になるという旨を記載した「最終催促状」が手元に到着します。
その時点で支払いをすれば、利息などはとられませんが、最終催促状をも無視した場合、「督促状」が送付されてきます。
「督促状」は「最終催告状」と違い、法的な通知。「督促状」に書かれてある納付期限までに納めないと、
・延滞金14.6%が課せられること
・財産が差し押さえられる可能性があること の2点が記載されています。
将来の日本がどうなっているかは、誰にもわかりません。ですが、年金制度や公的な保障があることによって、安心できる要素が1つでも増えることは良いことですよね。
他人事と思わず、ぜひ自分事と考え、年金について今一度見直してみてはいかがでしょうか?